静的破砕剤充填工法
薬液を利用し、コンクリートの破砕を行うもので低振動・低騒音で行います。
穿孔したコア孔に静的破砕剤を充填することで、化学反応によりコア孔内部が膨張しコンクリートを破砕します。
本工法は、施工計画の段階において確実な破砕を行うためのコアの穿孔ピッチ割付と施工時期の気温による静的破砕剤の化学反応で膨張破砕が実現する時間の管理が重要となりますが、部材が厚く大断面の基礎コンクリートの解体など、重機による解体では騒音や振動が懸念され、まして多くの労働力が必要な場合に適しています。
工事写真
ブライスター静的破砕のメカニズム
- ①ブライスターの主成分は酸化カルシウム(CaO)です。この酸化カルシウムが水和反応することにより、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を生成し、時間経過とともに長大な異方性の六角板状結晶へと成長していきます。
- ②水と練り混ぜたブライスターを、孔内などの結束状態のもとへ充填すると、結晶の成長により、相互に押し合う結晶圧となり、拘束壁への膨張圧が発生します。
- ③この膨張圧によって、孔内には放射状の圧縮応力が発生し、これと直角方向に引張応力が作用します。引張応力が岩石やコンクリートの引張強度を超えたときに、亀裂が生じます。
ブライスターの特徴
- ①低公害で破砕ブライスターの膨張圧力によって亀裂が発生するため、騒音・振動・飛石がほとんどなく、低公害で破砕ができます。
- ②取扱いに資格が不要ブライスターは火薬類ではありません。取扱に関しては法的規制を受けません。
- ③施工が簡単ブライスターを水で練混ぜ、孔へ流し込むだけでよく、簡単に作業ができます。
- ④破砕作業の効率化ブライスターで亀裂を発生させることにより、二次破砕の作業効率を大幅に向上できます。また、二破砕時の振動・騒音レベルの低減と発生時間の短縮が計れます。
- ⑤計画破砕・水中破砕も可能穿孔パターンにより計画的な形状に破砕ができます。また、水中破砕も可能です。
取扱いメーカー
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